僕とおじいちゃんと魔法の塔C




編集さんに「早く早く早く」と拝み倒された(笑)なんとしても5月発売に間に合わせたかったみたいで、 間に合って良かった(´ε`;)

この原稿が上がった直後に「引っ越しモード」に入ったので、それが5月いっぱいもかかってしまったので、解説を書くのが 遅れたよ(-。-;)



今回特筆すべきは、子猫たちの死の描写。
当初、もうちょっと残酷だったのだが、あの「東日本大震災」が起こってしまったので、しかも「水死」の描写だったので、 やや抑えめにと編集さんからも言われ、書き直した。まぁ、仕方ないわな。すべての亡くなってしまった命に合掌。



秀士郎に甘える信久が可愛い。あっけらかんとファザコン(笑)
思想や信条、生活態度などがしっかりしている信久だが、こういうところが「子ども」というか、「育っていない」というか、 「育ててくれる男親がいなかった」からな。まだ幼い感じがする。


対して、龍神は今回も達観している。「影が薄い」と言われるほど(笑)
しょーがないじゃん。龍神は、もう1巻で成長しちゃったんだよ。この話は、1巻で終わるはずだったんだよー。

2巻以降の物語は、龍神の周りの人や出来事が主役で、龍神は狂言回しのような立場なのである。もちろん、これから龍神の 別の面とか、さらなる苦悩や成長が描ければもっといいけどね。


今回、和人の内面が描けて良かった。
いい子には、いい子の悩みがある。いい子でいなければならない悩みがある。いい子でいてしまう悩みがある。
そこからステップアップできれば、本当に優れた大人になれるのだろうが、いい子の困ったところは、やはり 「いい子でおさまってしまう」ところなのか。
たいがいの「いい子」は「臆病者」だ。 大胆な行動をして「いい子」から逸脱してしまうことを怖れている。
その「怖れ」が、自分を縛り、身動きがとれなくなった時が恐ろしい。

「いい子」の中には、その時「崩壊」してしまう者がいる。

今日、まさにそんな映画を見てきたばかりだ。ナタリー・ポートマン主演の「ブラックスワン」である。

母親に溺愛されたいい子が、母と自分の夢と、才能と、周囲のプレッシャーの間でもがき苦しみ、どうしても自分の殻を破ることが できずに崩壊していく様は、痛々しくもスリリングで見応えがあった。

大なり小なり、こんな子どもは山のようにいるのだろうなぁと、溜息が出たよ。


どうすれば、自分の殻を破ることができるのだろう? 


そんなもの、知らん。千差万別だ。



ってゆーか、「どうすれば自分の殻を……」と考える時点で、殻を半分ぐらいは破っている気がする。




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