桜大の不思議の森



作品を読んだ、徳間文庫の男性営業部員さんが号泣してくれて、帯が「 泣ける!」に決定したそうだ(笑)。



新潮文庫と徳間文庫が、ほぼ同時に「何か下さい!!」と言ってきて、その時にすぐに渡せる原稿といえば、Webに上がっているSSしかなくて、2社に振り分けることになった。 で、「桃吾の森 四季うつり」というSS連作が徳間文庫に。 それ以外が新潮文庫に吸い上げられたのだ。

「桃吾の森〜」が「桜大の不思議の森」になったいきさつは「あとがき」に書いた。 これは、うまくいったと思う。
ちなみに、桜大と桃吾というのは、友人の甥っ子の実名。 最初に聞かされた時から「いい名前だなぁ」と思っていたので、「黒沼」が「びわの実ノート」で初出した時に「桜大」を使わせてもらった。 その頃から考えると、桜大と桃吾も出世したものよのぉ。ふぉっふぉっふぉ。



「桜大〜」の発売に合わせて、雑誌「ダ・ヴィンチ」の取材を受けた。 
インタビュアーに「好きなエピソードはどれですか?」と聞かれ、最初に浮かんだのは、やはり「神罰下った」だ。 私の地元近くで起きた実話だし、神の存在を実感できる素晴らしいエピソードだと思う。


「五郎さん」もお気に入り。 五郎さんにはモデルがいる。 これも、私の実家の近所にいた五郎さんという犬だ。 いつも、悠々と町中を歩き回っていた。カッコ良かったなぁ。
「ルシフィー」を「ルーシー」としか発音できないおじぃのモデルは、うちの父(笑)。 飼い猫に私がつけた「ルシフィン」という名前を、どうしても「ルーシー」としか言えなかった父である。


鉈を持ち出して喧嘩した兄弟のモデルは、父の兄弟がモデル(笑)。確か……次男と四男だったと思う(父は三男)。 二人が持ち出したのは「鎌」だが(笑)。

昔は、子どもたちの遊びも実にワイルドで、うちの父の兄弟たちのエピソードを聞くたびに「よく誰も死ななかったもんだ」と感心する(末っ子が一人亡くなっているが)。 どの家も兄弟姉妹の数が多く、大人たちは仕事で忙しく、大勢の子どもたちにかまっているヒマなどなかった。 子どもたちが鎌を持って喧嘩しようが、石をぶつけられて頭に大怪我しようが、縁がぬるぬるの沼で水遊びしようが(しかも子守中の女の子は、背中に赤ちゃんを背負ったまま)、ほとんど関知せず、頭の怪我によもぎの葉っぱを載せただけで登校してきた子どもに、保健の先生が仰天して「ちゃんと病院へ連れてって下さい!」と怒ったという話は、大笑いである。 ま、その子が生きているから笑えるんだけどね。

とはいえ、私が子どもの頃までは、「大人の世界」と「子どもの世界」は、明確に分かれていた。 子どもの世界のことについては、大人たちはほとんど干渉せず、ほっからかし。 そこで事故が起きても、子どもが悪さをしても、それは「子どもの自己責任」だった。

今は環境が変わり、子どもは、子どもの自己責任ではすまされない状況に置かれているとはいえ、大人は子どもに構い過ぎじゃないか? 以前にシャウトでも叫んだが、地元の高校には、雨が降ったら子どもを迎えに行く親の自動車の列ができると聞いて仰天したものだ。



お前らは、雨に濡れたら溶けるんか!! ヽ(`Д´#)ノ


と。 雨ぐらい、濡れて帰れボケェェェエエエエエエエ!!!! と。これは、子どもと親と両方に言いたいな。

私が高校生の頃は、自転車通学だったので、雨の日は苦労したものだ。カッパを着るのだが、ボタンとボタンの間から雨水が漏れて、学校へ着く頃には、プリーツスカートのプリーツが全部取れて、袴のようになっていた。水を吸って、重さもずっしりと増していた。
だけど、そういう苦労は、大人になって同級生たちと集まった時の、いい思い出話になる。 これが大事なんだよ! 子どもは苦労しろ! 工夫しろ! たかが雨ぐらいで車に乗ってんじゃねぇよ!! ( ゚д゚)、ペッ




桜大が、祭りの屋台で買った「骸骨の貯金箱」は、こちら↓


私が小学生の頃、やはり屋台のおもちゃ屋で売られていたもので、私も1度か2度買った覚えがあるものの、失くしてしまった。 なつかしきオモチャである。
これを作品の中に出そうと思って、詳細をネットで検索したところ、なんと1つだけネットオークションに上がっていた! 「うおっ、欲っすぃいいい!!」と思って、いつもネオクをしている友人に頼んで落札してもらった次第だ。 値段は1500円ほどだった。 今度は大事にしたいと思う。 桜大と違い、500円玉専門貯金箱にしている。大人だなぁ(笑)。







センセイ、キャラデザ。
ちょっと老けているが、30歳前半ぐらい。
優しくて、おおらか。 博学。

絵や写真や論文とかで、わずかな現金収入があるらしい。
食べ物とかは、すべて村人からの貰い物でまかなえている。

藤原ヴォイスがピッタリ〜(笑)











桜大。最初14歳だったが、13歳に変更。
なんてことのない男の子。
素直で良い子。 
神秘を信じていて、だから謙虚になれる。


桜大も桃吾も、友人の甥っ子から名前をもらったが、本人たちにはチラッと会っただけ。 でも、桜大、桃吾本人たちも、ごくごく普通の田舎の子どもである。
そして、桜大たちが暮らす場所から、地名もいろいろ使った。 地元の人はニヤリとしてくれ(笑)











おや? 誰かの関係者?(笑)

CVは…………やっぱり、森川さん?(笑)










イラストレーターのさやかさんだが、これまでは、こういう作品をてがけていらっしゃる。


  





私は、この「本日は大安なり」のイラストを見て、さやかさんに決めたのだが、彼女、「桜大〜」の依頼を受けたちょうどその頃、それまでの自分の画風を変えようとしていたらしかった。

で、そんな時に「桜大〜」の依頼がきて、ゲラを読んで、最初の「緑人間」に「やられた!」と思ったという。 
そして、「自分のこれまでの絵では、この世界観を表現できない!!」と、えらく悩んでしまい、担当さんをハラハラさせた。 
私が最初にさやかさんに抱いたイメージとはちょっと違うが、「桜大〜」の表紙の絵は、とてもいい出来だと思う。








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