下町不思議町物語






最初岩崎書店からお話をいただいた時に(依頼内容はいつものように「男子」「妖怪」「バトルなし」だった)考えていたのは、 引越し先で友だちもいず孤独な子どもが、同じく孤独な物の怪と知り合って成長してゆく……という話だった。



が、



書き進めていくと……といってもほんの導入部で、主人公の今の状況の説明を書いているところだったが……




暗い!!!

書いていてつまら―――んんん!!!(`□´)#



主人公が孤独で悲しい身の上でなければ、成長した暁のカタルシスがない。だが書いていて、ちっとも楽しくないのである。


私は、自分が楽しくなければ書けないのだ!!(大威張り)


楽しくなるにはどうしたらいいのか? 主人公が孤独で悲しい身の上なのは変えようがない。



そうだ! 主人公を関西人にしよう!!
YE━━━━━━ d(゚∀゚)b ━━━━━━S!!


関西弁をしゃべらせれば、孤独で悲しい身の上だろうが会話とかが面白くなることは間違いない!

こうして生まれたのが直之。

母に捨てられ、病気のため心身の発達が遅れ、引越し先には友だちもいず、祖母に疎まれ、それでも関西弁さえしゃべらせれば、言動に「元気」と「テンポ」が でる。私も関西弁を書いていると楽しい。……助かった。ありがとう、関西弁(笑)

小六にしては小さい身体、細い手足、ちょっと頭が大きくて全体のバランスがちょっとおかしい。しかし、運動は得意。
算数はできるけど、国語は不得手。特に漢字に弱い。

本当は淋しくてつらいけど、しゃべれば自然とボケてツッコんでしまう。そうしているうちに元気が出る。だから頑張ろうというのが関西人気質。
関西生まれ関西育ち(おそらく大阪の中心)の直之もそうして頑張った。 でも、やっぱり淋しくてつらいことには変わりない。 子どもって、我慢するし頑張るんだよなぁ。大人はもっと子どもをよく観察し、考えてやらなきゃダメだよ。




修繕屋高塔。

身長175センチ位。体重70キロ位。その他不明。
肩にかかる黒髪と丸眼鏡と着物と煙管……あれ? 

誰かに似てるなぁ。何か関係があるのかな? (゜▽ ゜)(笑)

修繕屋というからには、修繕を生業としているんだろう。詳細不明。部屋に山積みのガラクタは修繕待ちなのか、高塔の単なるコレクションなのか。

直之と高塔の関西弁のやりとりは本当に書いていて楽しかった。ありがとう、関西弁。


渋谷や新宿のような大都会の駅前からほんの少し離れたところに不思議な町並みがあって、そこに不思議な人々が集まる喫茶店がある……という話を以前書いた (小説の部屋にアップ済み「ねこ屋」)。今回あれを使えた。ありがとう、過去の私。

なんだか知った顔が一人出てくるが、これは間違いなくあいつです(笑)
「ねこ屋」にはおそらく、他にもあの人とかあの人とかが出入りしているもよう。




この作品も書き上げてから「シリーズにしてもらいたい」と言われた。
ありがたいことだが、1巻だけのつもりだったのでこれから先のことは全く考えてない!

どうしよう……(-。-;)








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