大江戸妖怪かわら版
封印の娘




原稿が出来上がったのは去年の12月だったが、冬の話だったので発表がだいぶズレたわけである(12月にできてすぐに発表はできない)。


前々から担当さんが「女を出せ〜、出せ〜」とうるさかったので、どうしようかと考えていた。

担当さんは、前作「異界から落ち来るものあり」の下巻でちょろっと出てきた「菊五郎の娘」の記述に(私の中では単なる”記述”にすぎなかったのに)えらく 反応して、この子を出してほしいみたいなことを言っていた。
それならば、まあこの子を描き込んでみるかと思った次第で…………


でも私は、主人公雀と同じ年頃の女の子にして、さあ二人の恋愛を……




なんて展開は大嫌いなので!!(大笑)



ぜんぜんそんなんじゃない展開にしてみました。

花のような女の子が書けない私。そこで登場したのは



人喰い女(爆)



いい…………。人喰い……。ロマンだ(笑)。愛することは食べること。奥が深い……!


可愛く、でもどこか色っぽい女が、凶悪な化け物に変身する。しかしそこに悪意も邪気もない。


それは、まるで自然の力。


雀から見れば、恐ろしく……そして美しい。



春雷のように。








今回カッコイイのは鬼火の旦那。血みどろが似合うのは、イイ男の必須条件。

「誰かをかばって怪我をする(男)」…………萌え(笑)






絵板なんかにも何度か描いたけど、私は「子どもと大人の男萌え」である(笑)。
小さな子ども、もしくは少年と大人の男のコンビ。これは「家族萌え」の一種なんだろう。小さい(=性別不明の)子ども、あるいは少年と大人の男に限る……のは、 「子どもと大人の女」となると、また微妙にニュアンスが違ってくるためだ。それってただの「母子」じゃん、ってことにどうしてもなってしまうのは、「女」ゆえか。

可愛らしく微笑ましい=エロティックという概念は、文学やアートの世界に確立してあるそうだ。私も国語の教科書で見たことがある。 もう誰の文章かも忘れたが、「ふわふわと可愛らしいヒヨコだが、同時にとてもエロティックである」という記述だけは、ガッチリ記憶に残っている(笑)
もちろんエロティックではあるが、この子どもと男の間には性的な関係はない。ないが「色っぽい」のである。ヒヨコがそうであるように。






血みどろの旦那をひしっと抱きしめる雀。
旦那の胸の中で泣きじゃくる雀。それをなぐさめる旦那。
旦那に子犬のようにじゃれつく雀。「はいはい」と相手をしてやる旦那。雀が旦那の胸や腰に抱きつくので、着物の襟のあわせや裾が乱れて胸や太ももがあらわに なっている…………そんなシチュ激萌え……(笑)。




今回のお気に入りは、バカ殿のお守り役。

全身真っ黒のミイラ男だけど、布をとったら美形、希望(笑)



桜丸のこのシーンは、いわゆる「サービス」!?(笑)








一生懸命に妖怪たちの大江戸で生きる人間、雀。次の舞台は「天空の竜宮城」である。






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