最近・・・



・・・読んだ漫画 「もやしもん」1〜3巻 石川雅之 講談社  「弁護士のくず」1〜4巻 井浦秀夫 小学館



「もやしもん」は、以前から話題になっていて、あちこちの漫画などによくネタが使われていた。

それは「菌」

もやしとは、種麹(たねこうじ)屋のこと。主人公がここの跡取りで、菌とは切っても切れない縁で結ばれているわけだ。

主人公は、菌が「見える」のである。

私たちだって、顕微鏡を使えばキノコみたいな菌の姿が見えるのだが、この主人公は「肉眼」であらゆる菌やウィルスが めっさカワイく 見えるのである。(主人公が菌たちをめっさカワイイと思っているかは不明)
主人公は、この菌たちを手づかみすることもできる。つかまれた菌は「ハッ」とか言ったりする(笑)

物語には、私たちの日常どこにでも膨大な数いるA・オリゼー、ペディオコッカス・ハロフィルス、S・ラクチス(どんな菌が知らんが)や、白癬菌(水虫)、 大腸菌などが、まるで絵本のキャラクターのように描かれている。とっても可愛いのだ。たとえそれが「O−157」の致死毒を持つ菌で、そいつが 「かもしてころすぞ」と言っていても(菌たちはよくしゃべる)。とっても可愛い(笑)(かもす……とは醸すだろう)
その様子を、あちこちの漫画家が作品内で使っていた。確か「のだめカンタービレ」の中にも 使われていたような……(作者同士が知り合いだった)。

で、この菌が見える主人公が、その特殊能力を使っていろんな事件を解決する……という物語ではない(というところが、私は気に入った)。

物語には、主人公が通う農業大学のキャンパスライフが描かれている。要するに、「のだめカンタービレ」や「ハチクロ」と同じだ。
「もやしもん」や「のだめ〜」や「ハチクロ」に共通する面白さは、その「専門性」。専門家集団の「変」や「苦」や「楽」が面白い! こういうの大好きだ!
頭はいいが変人の専門家のオンパレード。その生態。その知識。そして、その大学ならではのイベントが楽しいっ! 
特に2巻で紹介される「春祭」が最高! 生徒たちは三日間大学構内に「閉じ込められ」て、三日間しか使えない「お金」を購入し、出店などで買い物をしながら 過ごさねばならない。
おまけに、今年はみんな頭に紙風船を付け、それを春祭主催者「農志会(生徒会のようなもの?)」のメンバーに割られると、「お金」を没収されて しまうというルールが課せられる(ルールは毎年変わる)。一般生徒はそれに対抗し、「お金」を没収された時のための「保険」を作ったり、「用心棒します」と 商売するヤツが出てきたり……そういう細かいディテールがたまらんっ!! 作者の体験か? 
こういうことを実際にやってる大学っていいよなあ!!! (≧∀≦)  そして、こういうことに実際に「真剣に」参加する学生って、いいよなあ!!! (≧▽≦)b こういう「イベント」には、積極的に参加しろよ、学生どもよ!

主人公がこれからどうなるのか、まだ全然不明。どうやらみんなで「酒」を造るのが目標……?

これからも、専門校ならではの「オモロイ」ことをどんどん描いていってほしい。可愛い「菌」たちも。「かもしてころすぞ」は名セリフだと思う(笑)。



「弁護士のくず」は、以前4巻を見かけてから既刊を探していた。
面白そうだと思ったきっかけは、裏表紙に中の漫画が1コマだけ載せられているんだが、私が見た4巻のそれは、くず=弁護士の九頭元人が「依頼人は嘘をつくもの。 調べなかったお前が悪い」と言っているコマだった。

このように、主人公の弁護士くずは、世間一般で思われている「弁護士」のイメージからは程遠い「異端者」。つまり、

「自分は正義の味方ではなく、金を出す方の味方」

と、本気で(おそらく本気9割、カッコウ1割ぐらい)言ってのける。破天荒な弁護士である。

スケベで意地悪、セコくて口が悪い、手も出す足も出す。セクハラを訴えてきている被害者に「チチをもまれて気持ちよかったか?」と平気で訊き、 「裁判で、どっちが正義かなんてあるかよ。勝ちゃいいんだ、俺は。頭悪い女だな、お前は」と、公然と言ってのける。

爽快!! (≧▽≦)b

対照的に描かれる 人権派 の同僚弁護士たちを尻目に、くずは、原告や被告の「隠された秘密」や「嘘」「言いたくない事情」 など、汚い部分、隠したい真理などを次々と暴いてゆく。

それは、くず自身が「等身大の生身の人間」であることに正直だからこそ、等身大の生身の人間である相手のことがよくわかるのだ。

生身の人間とは、バカでセコくてスケベで残酷で狡猾で意地悪なものだ。

それが当たり前の、自然な姿。

特に、争いともなれば格好をつけてなんかいられない。綺麗ごとなんて言っていられないのである。くずは、そこに鋭く突っ込んでゆく。

だが、同時に生身の人間とは、弱く優しく愛すべき者である。くずは、この最後の一線はガンとして守る。どんなに容赦のない言葉を浴びせても、冷たい意地悪な 態度をとっても。最後の一線は守ってやるのである。


他の 人権派 の同僚弁護士たちは、くずの表面的な悪態しか見ていない。いるいる。弁護士でなくても、こんなヤツら。 表面だけしか理解できないヤツ! 目に見えるものだけしか見えないヤツ! 単純な判断しかできないヤツ!
また、女性の味方 と呼ばれる女弁護士も出てくるが、行き過ぎたフェミニズムを振り回す「女性の味方とはチャンチャラおかしい」者に 描かれている。いるいる、こーいうバカ女!! 男を否定すりゃいいって思ってる。女はみんな男の「性奴隷」と思い込んでいるヤツ! そしてたいがいがブスな ヤツ!

くずは、こんなバカヒューマニストどもに「クズ」だ「アホ」だ「ヒトデナシ」だと言われつつ、そんなタワ言など意にも介さず、事件をスッパスッパと解決してゆく。

いいぞ、くず! 
生身の人間を綺麗ごとでしか見られないバカどもを、もっとどんどこ踏みつけてやれ! o(≧∀≦)o


それにしても、くずは「ビートたけし」に似ているなぁ。モデルなのかな。
ビートたけしがもっと若かったら、きっと今頃「ドラマ化」されているな。間違いない!!
しかし、面白い作品なのでこれからもドラマ化の話は出るかも知れないが、その時は、くず役は 今時の若い俳優なんぞにやらせるんじゃねぇぞ! ( ゚д゚)、ペッ くず役は、セコくてスケベで意地悪な中年男! この「生身」さに意味があるのだから!





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