最近・・・



・・・感心したアニメ 「銀魂」テレビ東京系



私が最近見始めたアニメの中では、ダントツにスタッフの愛と勇気が感じられる作品!


そうなる要素はいろいろある。

「ワンピース」ほどメジャーではないとか、地方局放映であるとか、内容がギャグであるとか。

だから制作スタッフが、自由に力を発揮できる のではないかと(制作は、あのサンライズ!)。

「ワンピース」のような巨大作品で、全国区ゴールデン放映(当初は)では、制作サイドはめったなことはできない。どうしても「型にはめた無難なつくり」を せざるをえない。
さらに、ストーリィが続きものであったり、シリアスであったり、制作スタッフに力がなかったり、スポンサーがうるさかったりと、そういう「枠」が多ければ、 作品は型通りのベルトコンベア方式で作られても仕方ないことだと思う。


アニ魂は、そこを うまくすり抜けた 作品なのではないか?(笑)



実は、私が「銀魂」にハマったのは、ずいぶん後になってからだ(コミックスが18巻も発売されてから。アニメも放映1年以上たっていた)。

作品を知っている人にはわかると思うが、最初は原作のあの「ギャグ」についていけなかった。どこが面白いのかわからなかったのだ。 本誌も、チラッと見るだけでほぼ飛ばし読みだった。  ただ、「土方十四郎」をアニメでは中井和哉さんがアテるというので「ちょっと見てみようかな?」とか思っていたにすぎなかった。


中井土方十四郎をアニメで確認して、「やっぱ中井さんは受け受けしくていいなぁ〜」(笑)とか思って、やっとちゃんとアニメを見始めたら、まず




声優陣の演技の素晴らしさにビックラこいた。



その素晴らしさとは、原作では「よくわからなかったギャグ」が、役者が生で演じることにより面白く感じられたことだ。

これは……これはもう本当に感心し、感動した。なぜって



映像化する、ということは、こういうことだろ〜〜〜おおお!!


だからだ!!

原作が一番面白いに決まっている。 しかし、映像化はそれを「動き」と「音楽や効果音」と「役者の生の声」で、さらに倍!そのまた倍!倍!倍!!に 高めていく。



これが「映像化」であって、監督や制作者サイドの都合で「オリジナルとして作る」ことでも、スポンサーや事務所の売名行為で「タレントに声を アテさせるために作る」ことでもないんだよ!! ( ゚д゚)、ペッ



アニ魂は、制作サイドが「いかに面白く作るか」を考えながら作っている……ということが伝わってくる。
スタッフは原作ファンを思い、そして自分たちも原作を好きなんだろうな……ということが伝わってくる。



すべての原作が、このように映像化されればいいのに。



さて。


声優陣の演技の素晴らしさにビックラこいた私。

特に、主役の銀さん役の杉田さんの「変幻自在」の演技には脱帽した。
ギャグ満載の脚本では、ただ大声でギャグを叫べばいいってもんじゃないのだ。そんなことをしたらウザいだけだ。  ここは「叫んで」、 ここは「落として」、ここは「裏返して」、ここは「早く」、ここは「ゆっくり」と、ありとあらゆるテクが求められる。
杉田さんの演技は完璧だ。  硬軟、大小、長短とりまぜた、レインボーな演技!(笑) これ、 作品を1本撮り終えると、クタクタに疲れるんじゃないかな? どうかご自愛下さい、杉田さん。マジで。

キャスティングも素晴らしい!  客寄せのアホキャスティングや 事務所のゴリ押しキャステイングなぞ、もちろんナッスィング! 土方に中井さんをキャスティングしたところを見てもナイスだけど (これは単に好みの問題だけだが/笑)、 特に銀さんの杉田さん、沖田の鈴村さん、そして桂の石田さんが絶妙のキャスティングだと感じる。

この絶妙のキャスティングによる「生のギャグの掛け合い」が、原作ではさっぱりわからなかった面白さを私に感じさせてくれた。
氷のような冷たい美形声の石田さん演じる冷たいボケに、変幻自在にツッこむ杉田さん。その掛け合いに、私は腹を抱えて大笑いした。

これは、原作では味わえなかったこと。


これぞ、映像化の醍醐味だよ!!!(感涙)


さらに、アニメ「銀魂」は、見たこともない「凝った作り」や「過激な表現」をやらかしてくれるので、毎回目が離せないというか楽しみである。
オープニングの前に何かの映像があったりなかったり、それは内容に関係があったりなかったり、ものすごく無駄にCGに力を入れてみたり(笑)、それが 他の作品のパクリだったり(大笑)、「メスブタ」だの下ネタだの、地方局とはいえ午後6時からのアニメとはとても思えないようなセリフを、ちゃんと しゃべらせていたり (確か「アイシールド〜」では「殺す」とかのセリフがダメになってたよな!? スポーツアニメだからだろうな)、 とにかく枠にはまっていない 作りをしてくれている。 知人は、「はっちゃけている」と表現した。はっちゃけてるよなぁ、スタッフ(笑)

おまけにこのスタッフは、ただはっちゃけているのではない。

「紅桜編」では、非常にスタイリッシュな演出をしてみせてくれた。
「紅桜編」が始まる少し前の回から、エンディングテーマを「紅桜編」仕様に変え (またこの映像がカッコイイのだ!ギャグアニメのくせによぉ。こういう時はわざとらしいまでにカッコよく作るんだよ)、原作ファン の「もうすぐ紅桜編が始まる!」という気持ちを盛り上げ、「紅桜編」最終回では、それまでのエンディングテーマをオープニングにもってきて、その映像に 前回までの回想シーンを流すという凝りよう。 当然その回のエンディングは新エンディングだ。




感動した! その制作態度に感動した!!
(絶望先生風に)





深夜アニメでもしてないような、今だかつて見たこともないようなスタッフの意気込み!!




………………



…………




「ワンピース」も見習ってくれよ…………(TεT)



もちろんアニ魂も、毎回毎回素晴らしい出来とは言わないが、それでもその「自由な作り」がとても羨ましく……そして (他の作品を思って)哀しくなる作品だ。




さらに追記。
本誌WJで「こちら亀有派出所〜」が30周年を迎えた回に、「銀魂」をはじめすべての作品に「両津巡査を出すこと」という企画があった。
その回の「銀魂」は、謎のウィルス「RYOーU」に侵された者は、眉毛が「両津眉毛」になる……というような内容だったらしい。

普通、それをアニメでやるか??

本誌からアニメまではすごいタイムラグがある。本誌を見ていない視聴者もいる。

それをやるんだよ。アニ魂のスタッフは。

アニメでもしっかりと「こち亀30周年おめでとう」といっておいて、「今は31周年だ。本誌から時間がたってんだよ」というセリフを入れる。

これをやるのは…………今はアニ魂ぐらいだろう。すげぇよ。

とどめは、その回のエンディングに「両津巡査」の後ろ姿のシーンをちゃんと差し込んでいることだった。

す、すげえよ!! すごすぎるよ、アニ魂!!! 

すべての映像スタッフは、これを見習ってくれ〜〜〜〜〜!!!!!!!!!!




・・・読んだ漫画「王城 アルカサル」13巻(最終巻) 青池保子 秋田書店



実に……



実に、13年ぶりの、完・結・編。


少女漫画界の大御所、怪作「イブの息子たち」と傑作「エロイカより愛をこめて」の作者が取り組んだ、作者自身大好きなスペインの壮大な歴史大作。
12巻まで出たところで連載誌が休刊。再開するまでなんと長くかかったものよ。

それも含め、いろいろな事情から、13巻はそれまでの描き方とはちょっと違って、主人公ドン・ペドロの生きかたというよりは歴史を追う形になってしまった。
背景から人物まで、緻密に、リアルに描き、特に人物の細かなディテールをとても愛らしく描くタイプの人だけに、青池さんもちょっと残念だっただろう。
それでも、この長い物語を完結させられて良かったね、青池さん。私も、いまさら13巻が出るとは思わなかった。

それにしても感心するのは、13年もたっているというのに、青池さんの画力にいささかの衰えもないことだ。
あいかわらず精力的で緻密でリアル。キャラクターたちも「安定」している。さすが大御所にして大ベテラン。まだまだ続く「エロイカ〜」に大いに期待したい。



長年ドン・ペドロの忠実な部下として、主の死後も活躍しつづけたマルティン・ロペスの死は…………泣けてきた。そうでなくても、男の 「覚悟の死」には弱いのだ(;д;)





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