最近・・・




・・・見た特集「世界遺産 ポントカサルテの水道橋と運河 イギリス」







むか〜し、むかし。初めて、カヌーイストの野田知助さんの『魚眼漫遊記』という紀行エッセイ本を読んだ時、私は雑貨屋でバイトをしていた。 
そこでの仕事は品物のPOP作りで、私一人の仕事。POP用パソコンも私しか操作できないため、私は自分のペースで仕事ができた。 事務所を取り仕切っていた大姉御の事務員さんにもいたく気に入られていたため、大変居心地のいい職場だった。 まぁ、将来の不安は漠然とあったけども、まだまだ若かったし、好きなことも仲間もたくさんあり、日々を楽しく過ごしていた。

なのに、野田さんの『魚眼漫遊記』を読んだら、こう思った。





何もかも捨てて、旅に出たい……。





(笑)



『魚眼漫遊記』は、野田さんが世界中を旅した紀行エッセイ。 まだ若かった野田さんは、リュック一つを背負い、徒歩&ヒッチハイクで世界を回った。 ロシアの赤の広場の噴水で泳いで警察に逮捕されたり、パリのセーヌ川で釣りをしたり、ギリシャの海へ潜り、極彩色の珊瑚を見て、浜辺で寝ていたら、あまりの星の明るさのために目を覚ます……。


私は、アウトドア人間ではない。 ましてや、バックパッカーで旅行をしようなんて毛ほども思わない。
なのに、このエッセイを読んだら、「私は、今、何をしているんだ……」と思ってしまった。 

それは、野田さんが、あまりにも風のように自由だったから。
何ものにも縛られず、1日24時間、自分の思うように過ごし、毎日違う風景を見て、毎日さまざまな人と出会い、時には誰一人いないような場所へ行く。 携帯もネットもテレビもない。 野田さんは、ほとんど何も持っていない。 寝袋と釣り道具ぐらい。 でも、その生き方はとても豊かで、時間は濃密で、何もかも持っているように感じた。


そんなことは絶対に無理だけど、そんな生き方がしてみたいと思ったものだ。 絶対に無理だけど(大事なことなので、2度言った)。



「ポントカサルテの水道橋と運河」の特集を見た時、あの時と同じような気持ちになった。


この特集は、イギリスの運河と、そこを行き来する「ナローボート」を取材したもの。 


で、これが、ポントカサルテの水道橋。

空中を運河が通り、船が行き来するのである。 この船を「ナローボート」という。

運河といえば、オランダやヴェニスが有名だが、イギリスも実は「運河大国」だった。 オランダやヴェニスと違うのは、イギリスの運河は、商業用だったことだ。 産業革命以前、イギリスでは、荷物はナローボートに載せられ、国中に張り巡らされた運河によって運ばれていた。
鉄道ができて、運河がその役目を終えた時、国は運河を埋めようとしたのだが、地元の人々がそれを守った。 人々は運河を整備し、ナローボートは、今度は「観光用」「旅行用」に甦ったのだ。 今、イギリス中で運河は3000キロもあるという。 まだまだ延長中らしい。


  

ナローボートの特徴は、細い運河に合わせたサイズと、人の歩く速度と変わらないスピード。


美しい風景の中を、ナローボートはゆっくりと進んでゆくのだ。 それは、スローライフそのもの。


特集の中では、定年後、家を売り、ナローボートを買って、「旅をしながら生活をする」夫婦が登場していた。
ナローボートは細長くて狭いけれど、生活できるすべてが揃っている。


  

  


ナローボート・ライフのいいところは、「家ごとどこへでも行ける」ということだ。 国中に張り巡らされた3000キロもの運河を伝い、西へ東へ、田舎へ都会へ旅し、そこで「暮らす」ことができる。


  運河沿いには、カフェ、パブ、ホテルなどがたくさんある。


夫婦で、恋人同士で、友人同士で、ペットと一緒に、コーヒーを飲みながら、サンドイッチを頬張りながら舵を取り、ゆっくりと水辺をゆく。 お気に入りの場所で船を止め、好きなだけそこで過ごし、そのあとは、パブに行こうか、たまにはホテルに泊まってみるか……。




いい……!



やってみてぇぇえええ―――っ!!!!!! 


ああ、なんか知らんが、メッチャ憧れるわ。 メッチャ心の琴線とやらに触れるわ。
自分用のナローボートを買って、犬と猫と一緒に旅したいわ。 やってやれないことはないけど、多分無理。

ナローボートは、なんと「免許がなくても運転できる」のだよ。理由は、スピードがでないから、だろうな。
この私でも、講習を受けたらボートを運転できるのだ! でも無理。



検索したら、「ナローボート観光」とか「ナローボート・ライフ体験ツアー」とか、いろいろ出てた。 人気あるんだね。 でも、せかせかした日本人には向いてないかも知れない(^^;)。 



生まれ変わったら、イギリス人になって、定年退職後は、犬と猫を連れてナローボート生活をしたいな〜。




カナルボートじゃなく、ナローボートだった。訂正。 カナルボートってのもあるけど、この場合は、ナローボートだったm(_ _)m






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