キャラいろいろ




てつし

つんつん頭の熱血ヒーローというのはよくあるキャラだが、てつしのモデルは 実在の人物。
実は私の小学校の時の同級生。といってもその頃の私は面識はなかったけど(中学、高校と 同じクラスになった)。
小学五年生の頃、彼は番長だった(らしい)。私は確かめたことはなかったが、 彼のクラスは彼を中心によくまとまっていたと聞く。その頃の「噂の彼」が、てつしの原型となった。

つんつん頭は、てつしが自分でブローしている(笑)。
単純明快。 はっきりした喜怒哀楽。バカだけど勉強すればできるタイプ(だって父ちゃんもじいちゃんも兄ちゃんも みんな頭がいいから)。丈夫な体に柔軟な精神。「理想の子ども」である。

てつしは曲がったことが嫌いだけど、決して「純粋正義まっすぐ君」ではない。 広い視野と深い度量がある。その中で善も悪もこねまわすことができる。本来子どもはそうした生き物で あるはず。それを歪めてしまうのがバカな大人どもなのだ。でもてつしのまわりにいる大人たちは大丈夫。 皆、礫とした、りゅうとした「大人」だからだ。
てつしたちはこの大人たちの背中を見て、それをお手本に、 りっぱな「大人の男」へと成長してゆくのである。



ふわふわ頭にクリクリ目玉。細い手足でぴょんぴょんとはねるようなフットワーク。 子どもらしい可愛い男の子。てつしと椎名の個性に隠れてイマイチ影が薄いけど、けっこうお姉さま方に 人気がある(笑)。

内包している力はリョーチンが一番大きいだろう。それは核にあるのが「愛」 だからである(笑うところじゃなく)。

「愛、慈しみ、情」などは、本当は具体的な力に変換しにくいものだ。それは 相手があってこそのものだから。相手を無視したら、それはもう愛でも情でもない。「独りよがり」でしかない。
自分の中の愛や情が、本物なのかどうかわかっている奴が世の中にどれほどいるだろうか。ふつうに 暮らしている分にはそんなこと気にする必要もないけど(気にしだしたら人間関係は作れないだろうな)、 問題なのは「愛や情の勘違い」ヤローが多いことだ。

リョーチンは幼い頃体が弱く、兄姉によくいじめられた。てつしと出会って、 心身ともに健康な子になった。リョーチンはてつしや椎名よりも深く、孤独と愛を理解しているのである。

大人になったら、一番女にモテるのはリョーチンかも。 女は結局は「やさしい男」に弱いからである。その やさしさが「本物のやさしさ」ならなおさらである。


椎名

よく「香月先生は地獄堂のキャラの中で誰が一番好きですか」ときかれる。
皆好きだが(ありがちな枕詞)、面白いのはこいつ、椎名である。といっても表に出ない部分の方が多いし、実は そっちの方が面白いのだ。

ガキにあるまじき広い世界観、深い洞察力、達観した人生観。加えて、自分が 美形で金持ちで権力者で頭が良いいことを理解しているイヤ〜〜〜〜〜〜〜な子どもである。

地獄堂のおやじや蒼龍さんや暁などと丁々発止で渡り合えるのは椎名だけ。
そういうやり取りとかをもっと描きたいな〜と思うけれども、これをやるとドンドコ本編からずれて いってしまうんだな〜〜〜(笑)。

「活字倶楽部」のインタビューに「三人悪の将来」がチラリと出ているが、椎名だけ が伏字となった(笑)。つまり、そういうキャラなのである(笑)。



藤門蒼龍

同人誌からの使いまわしイラ(笑)。満月と神剣天臨丸と蒼龍さん。

美男子(美中年)で、頭が良くて人柄が良くて大人で大霊能力者で……本編では いいところしか描けないが、実は……という人(笑)。

蒼龍さんは7歳から普通でない世界にいる。霊能力にかけては天才であったし、 お師匠さんに一生懸命仕える真面目な人でもあった。
弟子だった頃は1年365日が修行の日々。  毎日毎日お師匠さんと二人っきりの生活。学校にも行っていない。ず〜〜〜っと呪術の世界にいて、 ず〜〜〜っと呪術のことばかり考えていればよかったのだ。そういう生活が今にいたるまでず〜〜〜っと 続いている。

故に蒼龍さんは、世の中のことを知っているようで知らない「浮世離れ」した人、 いわゆる「学者バカ」というやつなのである(笑)。専門知識は山ほど知っているが、ウルトラマンは 知らない。  頭はいいが意外とマヌケ。人柄はいいが実は情が薄かったり、大人にみえて 結構ガキっぽかったり。そういうギャップを本人はあまり意識していない。本人は、あくまでもフツーの つもり。

そんなツッコミどころ満載なところを喝破しているのが椎名。 だから蒼龍さんは椎名が苦手なのだ(笑)。
「この子にかかると、どうして私はこうマヌケに思えるんだ???」
と、自覚のない蒼龍さんは悩む(笑)。そしてまた椎名にツッコまれるのである。

「マヌケだからさ(フッ)」



竜也

人気者、竜也兄(笑)。
やはり乙女たちは美少年が好き。  美形で頭が良くて何より男前で、非の打ち所がない男のはずなのに、 なぜそんなにもてつしに甘い?!「竜也兄って、かなり変ですよね」と言われるほどに(笑)。

意外にも内面は非常に暗い、冷たい人間。  もし家庭環境に恵まれていなかったら、さぞかし暗く厳しい人生を歩んでいたであろうということを自覚している。
だから竜也兄は家族をとても愛しているのだ。とりわけてつしを。 てつしの存在は「愛情を注げる相手がいること」の大切さを、 竜也兄に教えてくれているのである。

てつし同様竜也兄も家族に可愛がられて可愛がられて育ってきたので、非常に「触りたがり」である。
もちろんその対象はごく限られた人間のみだが、 特に意味もないのに(それゆえに尚更)風助あたりとベタベタしていて、真に叱られたりする(笑)。


ヤングミッタン&マッキー

三田村巡査と牧原神官、若かりし頃(いや、今も若いけど)。高校生時代。

三田村巡査の胸元にジャラジャラしてるのは、米軍の認識票をデザインしたアクセ。牧原神官は道場へ行く途中か?
意気投合した後のようにも見えるし、「条西の牧原」を冷やかしにきた「四天王の三田村」のようにも見える。

三田村巡査は、このように男臭い応援団系の不良ではなく、一見軟派に見える系の不良だったのだ。 髪も茶パツだったし(これは地毛と思われる)、どちらかというと色白で(色素が薄いのか?)、色男だったのだ。 だから水商売のオネーチャンらに大変モテた。その頃の馴染みの一人が、今のカノジョなのだ。

男臭いといえば、むしろ牧原神官の方が男臭い。バリバリ体育系だし(ただし育ちはいい。性格は別として)、 体格も牧原神官の方が筋肉質(三田村巡査は骨太な感じ)。

牧原神官から見れば、三田村巡査はさぞかし「嫌な男」に見えただろうなあ。
優男な割には、ナイフのように切れる雰囲気をぷんぷんさせて、怒らせたら何をするかわからん不気味さがあって、 人を斜めに見て、女にモテる(笑)。
単純でまっすぐで、「男道」を大股で歩いてきた牧原神官から見れば、 複雑な家庭環境で思春期を過ごした三田村巡査の雰囲気は、 やはり異質に感じただろう(三田村巡査の複雑な家庭の事情というのは、実父が殺人事件を起こしたことである。 この父と母はその後離婚している)。

しかし、三田村巡査からそういう事情をのぞくと、芯の部分は牧原神官と同じような単純明快、豪放磊落、男気一本な男だった。  だから二人は仲良しになれたのである。


椎名夫妻

人気者椎名夫妻(笑)。こんなに慎重差はないが。

由緒ある資産家の娘であり、アパレル業界でバリバリのキャリアウーマンであり、 社交界、芸能界、財界、政界にまで人脈のある華やか極まりない美麗母ちゃんと、 文才もあり人気もあり地位もあるが、社会生活性のない聡父ちゃんが、いったいどこで出会い、 どのような経緯を経て結婚にまで至ったのか?

その鍵は「黎明苑」である。

黎明苑は、美麗母ちゃんの実家、錦原家御用達の画商。
その現社長の従兄弟一色黎明は詩人であり、聡父ちゃんの数少ない友人なのだ。美麗母ちゃんと聡父ちゃんはこのへんでつながったらしい。

いったいどこにどう惹かれたのか息子にさえわからないけれど、美麗母ちゃんは聡父ちゃんに一目惚れし、 その瞬間から今にいたるまで、寸分変わらずゾッコン状態を維持している。

とにかく美麗母ちゃんは「聡父ちゃん至上主義」。生活のすべては聡父ちゃんのためにある……
といっても、父ちゃんは基本的に「独りでいたい」人間だから、美麗母ちゃんは自分の生活を普通にしつつ、 時々父ちゃんがかまってくれることを心待ちにしている。

さて、では聡父ちゃんは美麗母ちゃんのことをどう思っているのか? 

不明(笑)。

もちろん嫌いじゃないだろうけど。部屋は分かれているとはいえ、同じマンションで、 美麗母ちゃんの側で暮らしているのは父ちゃんの愛なんだろう。 本当はもっと田舎の、なるべく人の少ない場所でひっそりと暮らしたいのだ。

パソコンから冷蔵庫まで揃っている自分の部屋を持つ椎名だが、何か問題が起こると、 あるいは母ちゃんが仕事で家を空ける時など、聡父ちゃんの部屋へ転がり込む。
父ちゃんの部屋には何もないが、椎名は父ちゃんと二人、黙ってラーメンをすすり安いコロッケを食べ、ひとつの布団で寝る。
美麗母ちゃんとの、毎日がイタ飯、フレンチ、高級和食の暮らしも好きだが、聡父ちゃんとの何もない暮らしも、椎名は大好きなのである。


月代と日向

ああっ! 日向の着物の柄がつぶれているぅぅ(泣)!! ここらへん、絵が古いので(;▽;)

月代と日向の言葉使いは「江戸言葉」である(月代のは”花魁言葉”ではないか→正解!)。 でも「こんな言葉を本当にしゃべっていたのですか?」などと、歴史の先生にきいたりしないように。ちょっとオリジナル入ってます。

江戸言葉の参考にさせていただいたのは、杉浦日向子氏の「百物語」他の江戸物漫画である。  杉浦氏の作品は「本当にその場にいたのではないか?」と思うぐらいリアルで、登場人物たちの生活感がひしひしと伝わってくるようだ。  さすが「八百比丘尼」と呼ばれるだけある。
私は、この杉浦漫画の中の江戸言葉が好きで好きで(もともと私は方言が好きなのだが。江戸言葉もりっぱな方言だよな)、 地獄堂以外の作品のキャラにもしゃべらせている。
いつか杉浦氏にお会いしたかったが(業界人なので夢ではない)。残念だ。本当に残念至極である。・゜・(≧□≦)・゜・。ワーン

月代と日向は江戸時代に江戸の町で暮らしていた。このイラストはその頃のもの。この時は日向の髪も、もっと黒っぽかった。
月代は別に花魁をしていたわけではないが「門付け」などをしていたのではないかと思われる。  二人とも人間のように飲み食いしなければならないわけではなく、着物や酒代などの小金があればいいのだから、 安長屋の一部屋でのんびりと暮らしていたのだろう。

江戸人は現代人とちがい、粋でおおらかで知的だった。月代と日向は、毎日を豊かに過ごしていた。
時代が変わり、何より人が変わってしまったことを、二人はとても悲しんだだろう。


カンナと日向

SARSという原因不明の流行り病のおかげで「ハクビシン」が注目されたことがあった。 変な話だ(笑)。

カンナのお父さんの頼りない記憶と知識で、亜月家ではハクビシンということになっている日向は、家ではネコぐらいの大きさである。
実際のハクビシンは黒っぽい色で、日向は茶色。どちらかといえばイタチの方が似ているか。 カンナのお父さんがそれに気づくのはいつのことだろうか?

日向は、亜月家では放し飼いで、エサも皆と同じものの残り物だし、 お父さんからはビールをもらったり、お母さんの膝の上で撫でられたり、カンナと一緒に風呂に入ったりと、 とても恵まれた暮らしをしている(笑)。
お父さんもお母さんも、頭がよくて器用で可愛い日向をとても可愛がっている。  そりゃそうだろう。たとえばネコでもフェレットでもハムスターでも、犬並にいやそれ以上に人間の言う事をきいたら、これは可愛いぞ〜。 ああ、欲しいな日向。ペットに欲しいな。

椎名誠が編集長を務める「本の雑誌」の「こんなペットが欲しい」コーナーに、日向が出ていたらしい(大笑)。

日向は、ほぼ毎日カンナと学校へ行き、カンナが授業を受けている間は昼寝をしたり、 用務員室でテレビをみたり(用務員さんとは仲良し)、如月女医にお菓子をねだったり、 人型で町をブラブラして不良とケンカしたり、好きに過ごしている。





  



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