ファンム・アレース解説




長かった・・・・。



この物語を初めて書いたのは、いつだろう?
初めて「妖怪アパート〜」を書いた、ちょっと後? 前? 
とにかく、約10年ほどかかったわけだ。しかも、講談社に拾ってもらうまでに、実に2社を経由している のである。


私は、ファンタジーは大好きだが小説が読めない。
だから、ファンタジー映画や漫画は数々見たり読んだりしたものの、小説となると一作品も 読んでいない。
え〜……有名どころでは……「グイン・サーガ」? 私の高校の同級生などは、これを熱心に読んでいた ものだが。近年では「ハリポタ」。これも友人に大ファンがいるが。私は本を手に取ったことさえない。

その私が、ファンタジーを書くのだから大笑いである。まあ、ファンタジーは以前にも「エル・シオン」 を書いてはいるが。

今回の「ファンム・アレース」は、「エル・シオン」と同じ場所が舞台である。
イオドラテ大陸。時代も100年ほど違うだけ。なぜ同じ舞台なのか?

資料が使いまわしできるからである。(笑)



私の作品は「キャラクター本位」だが、この「ファンム〜」も、主人公のララとバビロンが結構 よく動いてくれるキャラで助かっている。
しかし、一番初めにこの作品を書いた時には、自分でも「フンフン、動く動く♪」などと、自分では 「調子良く」書いていたつもりだったのだが、講談社の前の出版社に持ち込む前に読み返してみると

「えっ、これで終り?」

ってな、簡単な物語であった(笑)。
これではいくらなんでもいかんということで、ちょっと肉付けしたのだが まだまだ私は甘かった。これが講談社へいった際には

「あと、200ページほど増やして下さい。最低でも300ページは欲しいですね!  500ページでもいいくらいです」

と言われた(爆)。
さささ、300ページなんて……未知の世界!! 500ページなんて銀河の彼方!!!

小説は「SS」しか読めない私にとっては、200ページがすでに「大長編」である。「地獄堂〜」でも 160ページぐらいが最長ではなかったかと思われる。だから、300ページを書けといわれて、 果たして自分がそんな長編を書けるのか? と、ちょっと不安だったが、付けたしのエピソード部分は 結構サクサクと書けた。それでも、仕上げてみればギリギリ300ページに届いた……というところ だったのだ。う〜む……やはり300ページ以上は未知の世界だ。

そんなこんなで、もともと100ページもなかった物語を3倍に増やしたのだから、読み返してみると 所々にツギハギの「継ぎ目」が見えるような……(笑)そんな印象が否めない(ご、ごめ……)。

2巻目は、300ページ以上の長編ということに、もっと落ち着いて取り組もうと思った次第である。


女のキャラが異常に少ないと言われる私の作品の中で(笑)、花のような美少女が (性格は別にして)主人公の作品は、これが初めてである。
しかし、私は花のようなヒロインの、花のようなファンタジーにしたくなかった。


ってゆーか、そんなものは書けません。


ヒロインのララと、ヒーローのバビロンの関係を、愛は愛でも、濃厚な愛、エロティックな愛 にしたいのである。10歳と150歳という年齢差を越えて。これだけ歳の差があると、 もはや「ロリコン」という枠ではくくれないだろうし(大笑)。

ボケとツッコミのような凸凹コンビでありながら、その漫才のようなやり取りのふとした合間に、 「大人の男女」のような雰囲気を匂わせたい。ギリギリいやらしくしたい。
この雰囲気を「生臭く」させないために、バビロンはララの「下僕」でないとダメなのだ。

しかし……2巻では、二人の雰囲気はもっと「漫才師」のようになってしまいそうな気がする(笑)。
なんとかいやらしくしたいと画策している最中である。


一巻の私のお気に入りは、刺客のお二人さん。「緑の目の男」と「赤い髪の男」である。
この二人の関係もいやらし……いや、かなりの「ワケあり」な関係……いや、それは置いといて(笑)。
「緑の目の男」の、なんちゃって渡世人言葉が好きである。バビロンも渡世人なので、やや訛っているが。
このように、このイオドラテ大陸には他にもなんちゃって方言が出てくる。「エル・シオン」を 読んだ人には「あ、あれか」とわかるだろう。そう、「あれ」をもう一度出したいと思っている。 私は「方言」が大好きである。


というような次第で。私としては初挑戦の(これまた否応なく)「大長編」なので、拙いところは ちょっと大目にみてもらいたかったりして。
キャラは粒揃いなので。まずキャラで押していって、 長編という話の構成には徐々に慣れていければと思っている。
どうか今しばらく我慢してお付き合い願いたい。




     
inserted by FC2 system