「大江戸妖怪かわら版」大江戸用語解説



「異界から落ち来る者あり」


上げ煙管……高慢

読売……かわら版。新聞。

気のきいたカラス……早起き。

天下のある国……法治国家。

案じなさんなぁ、湯屋の煙だ……心配するな。大丈夫だ、の洒落。

お頼みあげ豆腐……お願いする、の洒落。

おたんちん……無粋者。

上下揃って事明細……かわら版を売る時の決まり文句。

お陀仏ほうちんたん……お陀仏だ、の洒落。

有難山のほととぎす……有難い、の洒落。

有難いの浜焼き……有難い、の洒落。

卵のふわふわ……とき卵。

腹が北山……空腹だ、の洒落。

懐が薄雪せんべい……お金がない、の洒落。

カブキもん……かぶき者……派手な格好やキテレツな行動をする者。粋な者とされている。

あまっちょう……小娘。

丸太ン棒……邪魔者。

ヒゲが多い……えらそう。

高い面……高慢。

生噛み、横っ倒し……半可通、高慢、無法。

いらぬお世話の蒲焼……いらぬお世話、の洒落。

恵方果報……幸運。

割りを言う……文句を言う。

破鐘が鳴る……主人が怒る。

湯文字……女用下着。腰巻。

貧乏人の豆煎り……あられもない、の洒落。

滅法界……とても、すごく、大変。

ももんがあ……わからずや。野暮。

駄々ける……我儘を言う。

踏ン反る……抵抗する。

筋を出す……口をはさむ。

大点違い……間違い。勘違い。

閻魔の笑い顔……ありえない、の洒落。

でんつく……野暮。田舎者。

よりより寄れば姦しい……三人よればうるさい。

厄介もっけえ……厄介だ。

わっぱさっぱ……騒ぎ立つ。

ちょろっこい……幼い。

きゃん……いなせ。

あやまった……閉口する。困った。

大すっちゃん……大騒ぎ。

ありがた山の寒紅梅……ありがたい、の洒落。

承知の助ザ衛門……承知している、の洒落。

「でぃでぃ」……履物売りの売り声。

面白狸の腹鼓……面白い、の洒落。

お互いサンマの一夜干し……お互い様、の洒落。

のかりん……呑気。

ふて勝手……勝手。

生利をきく……生意気をいう。

真なっ面……生意気。

立ち切れない……我慢できない。

とっけもねい……とんでもない。

吝虫……ケチ。

息勢引っ張る……勢い込む。

差し合い……厭わしい状況、関係。

〜三宝……とても、すごく、大変。

生爪親父……ケチ。

大江戸の水を飲む……大江戸に慣れる。

呆れが宙返り……呆れる、の洒落。

絵が付く……幸運。

有難山の椎の木山椒……有難い、の洒落。

百が抜ける……愚鈍。鈍い。

イヤミ金山……イヤミな、の洒落。

蒲焼の後でスッポン……いいことが続く、の洒落。

面がまぶしい……顔が美しい。

アハハの三太郎……バカ。

うっかりひょん……呆然。

面白狸のきんつばやき……面白い、の洒落。




「封印の娘」


世話世話しい……忙しい。

景物景物……いい眺めだなぁ。

奇絶奇絶……珍しい眺めだなぁ。

そうで有馬の筆人形……そうであります、の洒落。

晦日と正月が並ぶ……とても忙しい。

こんにゃくの幽霊……ぶるぶる震える、の洒落。

御慶申し入れまする……正月の挨拶。

閉口あやまり三宝……とても困る。

呑み込み山のほととぎす……呑み込む(承知して)いる、の洒落。

もしやの末まで……死ぬまで。

行け行け三宝……厄を祓うおまじない。

一の鳥居を越さぬ……修行が足りない。

羽二重ずれ……浮世離れ。

料られる……叱られる。

こっち料簡……手前勝手。

冴えぬ中山やめのもち……つまらないからやめよう、の洒落。

遅まきとうがらし……手遅れ、の洒落。

スッポンの居あい抜き……不可能、の洒落。

ハツハツ……いっぱいいっぱい。

かしわ餅……掛け布団一枚にくるまって寝ること。

鬼一口……やりこめられる。

そう上げてくんなんなぁ、頭がつかえらぁ……そんなにおだててくれるな、照れるよ、の洒落。

金十郎……イヤミな金持ち。

あやまり行燈油差し……大変困る、の洒落。

あや獅子に牡丹……怪しい、の洒落。

佐太郎……冷や飯食い。

光手合い……金持ち連中。

ぶぅぶぅやる……管を巻く。

つっかけもの……邪魔もの。

むく犬の尻尾……わけがわからない、の洒落。

恐れ入谷の鬼子母神……恐れ入る、の洒落。

侠仕立て……男らしい様子。粋な様子。

金比羅様の羽団扇使い……高慢な態度。

座が醒める……場が白ける。

横を言う……無理を言う。無理を通す。

しこじらかす……ややこしくする。

ピカピカ丸……武士の刀。

てんこちもない……とんでもない。

聞きが遅い……理解力がない。

大すかまた……大失敗。

上がったり大名神……上がったりだ、の洒落。




「天空の竜宮城」



風にうそぶき 月をもてあそぶ……風流を愛する様子

呆れ蛙のほっかむり……呆れ返る、の洒落。

喜ぶ巻きの千住鮒……大変喜ぶ、の洒落。

どうで有馬の筆人形……どうでありましょう、の洒落。




「雀、大浪花へ行く」



うってんばってん……大きなへだたり

術(づつ)ない……つらい。苦しい。

味に皮肉る(あじにひにくる)……底意地があって、からむ。

しこじらかす……こじれる

閻魔の笑い顔……ありえない

乾風(あなぜ)……冬に近畿以西で吹く、船の航行を妨げる強い北西季節風。あなぜ。あなじ

磔場の狐(はっつけばのきつね)……場違いな場で戸惑うこと

手妻(てづま)……手品

間尺に合わぬ……割に合わない




「魔狼 月に吠える」



そいつぁ、白髭大明神……それは知らなかった、の洒落。

味な気……色っぽい気

戯言……洒落言葉。「それは梨地の硯箱」(それは無し、の意味。無しと梨をかけている)他に「どうで有馬の筆人形」「恐れ入り谷の鬼子母神」など。

蕎麦前……蕎麦屋で、蕎麦の前に飲む清酒。

花番……蕎麦屋の女店員。

お声がかり……客の方から頼むこと

見計らい……店員の判断で、ということ。

細帯……やくざ。

そっと申せば、ギャッと申す……一言言えば、十返ってくる。当たり散らす。

きつい見立て……容赦ない評価

恐れ入山感服茶屋……恐れ入った、の洒落。

勝色……濃い藍色。

灯火親しむ……さわやかな秋の夜は、書に親しむ。

嬉しの森……嬉しい、の洒落。

あだらけねぇ……だらしない。

ふわふわ船……肥えを運ぶ船。

そっちかぶり……代金を相手がもつこと。

間尺に粟津合戦……割に合わない、の洒落。




「大江戸散歩」



春の

卯の刻=午前6時

半刻=1時間

四半刻=30分

辰の刻=午前8時

巳の刻=午前10時

午の刻=午後12時

巾着切り=スリ

申の刻=午後4時

酉の刻=午後6時

暮六ツ半=午後7時半頃

子の刻=午前0時

一口ものに頬を焼く=ただほど高いものはない


夏の

朝五ツ半=午前8時頃 あさりむっきん=あさりのむき身などを売る売り声。

朝四ツ=午前9時頃

明け六ツ=午前六時頃

夜四ツ=午後十時頃

びろびろする=まとわりつく

七ツ半=午後5時頃

酉の刻=午後6時頃


冬の

朝五ツ半=午前8時56分頃

暮六ツ=午後5時半頃

読本=本格的な長編小説

戯作者=小説家

ご新造=武士や中流以上の家の妻の名称

お里が安い=育ちが悪い

亥の刻=午後9時頃


麻布の祭りを本所で見る=手も足も出ない




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